インプラント法

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シリコンで出来た乳房インプラント(以下、インプラントといいます)は、乳房の形に似せて作られた人工乳房を胸に挿入して再建する方法です。

インプラントを挿入するためには胸にそれを入れる皮膚の余裕がないといけません。
そのため手術は2回に分けて行われることが多く、まず一回目の手術で胸の皮膚の下、実際には大胸筋という筋肉の下にティッシュエキスパンダー(以下、エキスパンダー)を挿入します。エキスパンダーはシリコン製の袋のようなもので、最初はつぶれた状態ですが術後に徐々に水を注入することでふくらみ、それとともに皮膚も伸ばされていきます。
十分に皮膚が伸びたところで、二回目の手術でエキスパンダーを取り出し、同じスペースにインプラントを挿入し形を整えます。

以前は保険診療で行うことができなかったインプラント再建ですが、2014年から保険診療での治療が認められるようになり、最近特に希望者が増えている方法です。

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一回目と二回目の手術の間は6か月から1年程度です。その間であれば、自分の都合のいい時期に手術を行うことができます。
これらの手術は、乳がんの切除手術の時の傷跡を切開して行われるので、新しい傷跡が増えることはほとんどありません。 それぞれの手術は1-2時間程度と短いのも特徴です。
入院は、エキスパンダーの術後が1週間から10日、シリコンへの入れ替えは1-4日程度のことが多いでしょう。一次再建では乳がん切除の手術の時に、エキスパンダーを同時に挿入します。

通常は2回かかる手術法ですが、乳がん切除と同時にインプラントを直接挿入して再建する方法もあります(一次一期再建)。これは切除の方法や挿入するインプラントの大きさなど、特別な条件がそろって初めて可能になる方法で、これを行っている施設は限られています。

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インプラントは乳房の形をしていますので再建後は即、その形の乳房ができています。たとえて言うなら、マネキンのようなきれいな乳房です。
簡単にきれいな乳房ができるのがこの方法のメリットですが、触ってみると健常乳房に比べると固く、グミのような感触です。また、それ自体が動くことはないので走っても揺れず、あおむけになっても横に流れないためやや不自然さは残ります。
また、多少の違和感を覚える人もいるようですが、全く感じないという人もいるので個人差があるでしょう。

きれいな乳房ができることは利点でもありますが、反対側の乳房の形によっては、左右差を生じたり、時間がたって加齢変化により乳房の形が変わった場合にもバランスが崩れたりという欠点もあります。
その場合は健側乳房のつり上げや豊胸などでバランスを整える手術で左右のバランスをとることができます。

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インプラントは人工物ですので、長期間体内に挿入されていると破損のリスクを伴います。10年で10%くらいのインプラントに破損がみられるというデータもありますので、定期的に検査を行って、異常がみられたら交換する必要があります。
何歳で挿入したかにもよりますが、インプラントは永久ではなく、交換が必要だという認識でいましょう。

また、特有の合併症として被膜拘縮というものがあります。
これはインプラントの周囲にできた被膜が厚く、固くなるもので時折みられる症状です。進行すると乳房が固くなり、変形や痛みが生じるために修正手術が必要になることがあります。

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通常の乳房切除術を受けた人であればほとんどの方にインプラント法の適応はあります。 特に、入院期間を短く済ませたい人大きな手術を避けたい人によいでしょう。もともとの乳房があまり大きすぎず、下垂のない形であればきれいな結果が期待できます。

ただ、放射線照射を受けた人は皮膚の伸びが悪かったり、術後の被膜拘縮のリスクが高いといわれているため、インプラントの本来の形が出なかったり、変形したりする可能性があります。そのほか、インプラントの交換や健側乳房への手術などの必要性についての理解が必要です。

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乳房再建方法を徹底比較!