脂肪注入法

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太腿やおなかなどから、細い管を使って脂肪吸引を行って、それを乳房へ注入するのが脂肪注入法です。
脂肪吸引は古くから体の形を整えるために行われてきましたが、脂肪注入はもともと生着率が低いことが問題で、乳房再建にはほとんど行われてきませんでした。

ところが最近は、脂肪の取り扱いや注入法の進歩によってかつてより脂肪の生着率が高まり、乳房再建の分野でも盛んに行われるようになってきました。 脂肪吸引と脂肪注入は、傷が最小限で済み、自分の脂肪を移植する自家組織移植のため自然で柔らかいことが特徴です。

ただし、脂肪の生着率には限界があること、1回で注入できる脂肪の量には限界があることなどから、脂肪注入単独で乳房切除(全摘)後の乳房をすべて簡単に再建できるわけではありません。
通常はインプラント法で再建してその上に脂肪注入を追加してよりなだらかで柔らかい感触にするやり方や、温存術後の陥凹に脂肪注入して膨らませるといったやり方で用いられます。
最近では、ティッシュ・エキスパンダーにより皮膚を拡張した後、脂肪注入を複数回繰り返すことで全摘後でも乳房をすべて脂肪で再建する方法も行われています。

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最近、脂肪注入にさらに工夫を加えてより生着率を改善する方法が研究されています。その一つが幹細胞の利用です。
もともと脂肪組織の中には脂肪幹細胞が含まれていますが、その濃度をさらに高めることで、減ってしまった脂肪細胞を補充し脂肪細胞周囲の環境を整え、最終的には脂肪の生着率を高めることが期待されます。
幹細胞を加えた脂肪注入は現在もっとも新しい乳房再建の方法の一つです。

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脂肪注入は低侵襲な手術ですので、ほとんどが日帰り、もしくは1泊入院で行われます。
手術時間は脂肪を注入する量によって変わりますが、1-3時間程度です。
脂肪吸引した部分はしばらく腫れますので、術後は圧迫装具を着用します。

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自身の脂肪を注入しますので、生着した脂肪は元の脂肪と同様の柔らかさで、乳房周囲がなだらかな曲線をつくり、見た目のきれいさでは一歩先を行っています。
インプラントと組み合わせた場合は、インプラント単独よりも自然な形となり、さわり心地も柔らかくなりますが、奥にはインプラントの固さが残ります。
脂肪注入だけを繰り返して再建した乳房は全体が柔らかく、皮弁で再建した乳房と同様の結果が得られます。さらに腋窩やデコルテにも注入することでさらに自然な形となります。

脂肪吸引部は脂肪が減ってほっそりとするため、美容的なスタイルアップ効果もあるのが特徴です。

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脂肪注入は低侵襲な手術ですので大きな合併症はありませんが、脂肪が壊死すると乳房の中にしこりをつくることがあります。また、それが石灰化をきたすこともあります。それ自体は大きくなったりがんになったりする危険性はほぼありません。
また、脂肪注入の手術は自費診療となるため、他の方法に比べて費用が掛かる点に注意が必要です。

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脂肪注入はあまり痩せている方ですと脂肪吸引を行うのが難しいため、向いていません。ある程度の脂肪があり、なるべく低侵襲な手術でなだらかな、柔らかい乳房を再建したいという方に向いています。
脂肪注入でのボリュームアップ効果には限界がありますので、あまり大きすぎない乳房のほうがより再建しやすいでしょう。

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